法学部生の標本箱

ド文系が行く金山・砂金産地巡り

産地別標本集① 串木野鉱山

1655年以来300年以上に渡って採掘され続けた串木野鉱山は菱刈・佐渡・鴻の舞に継いで日本第4位、56トンの産金量を誇ったという。1994年に閉山したようだが、数年前採掘再開の報を聞いた覚えあり。廃坑がワインの醸造に使われたりもしてるらしい。

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串木野鉱山一号ヒ(西山坑)の銀黒。一号ヒは串木野のチャンピオン脈。ルーペで拡大すると微細なエレクトラムが見える。石英と方解石の境界部に沈殿した典型例。

串木野では他に白色粘土鉱物が金を含むオシロイ鉱と呼ばれるタイプの鉱石もあるらしい。

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一方こちらは荒川4号ヒ L6 W-161付近産出の銀黒。輝銀鉱、濃紅銀鉱を主とする物で、一号ヒの物に比べて細粒緻密で銀黒中では個々の鉱物は殆ど識別出来ないが縁に少量の黄銅鉱を伴うようだ。

他に幾つかある荒川坑の銀黒も同じように緻密なのは生成温度とかが関わってるのかな。