法学部生の標本箱

ド文系が行く金山・砂金産地巡り

産地別標本集② 菱刈鉱山

菱刈鉱山は産金量日本一を誇り、現在でも日本で稼動している唯一の金鉱山。鉱床の生成年代は第四期100万年前とかなり新しく、この鉱山の発見は鉱脈型金鉱床の生成年代を第三期中期以降としていた従来の学説を覆した。

僅か12年で数百年来の佐渡金山の産金量を追い抜いたということからもその鉱床の優秀ぶりが伺える。

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 画像は菱刈鉱山本山坑、本鉱床 芳泉第2脈 47.5mLで1993年に採取された鉱石。

銀黒部に隣接する赤茶色の粘土鉱物にルーペサイズのエレクトラムを多数伴う。

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東京工業大学博物館に展示されていた山田坑の金銀鉱も同じように銀黒の周辺に赤茶色に鉱染された粘土鉱物(or石英?)を伴っているのは何か関係があるのだろうか。

東京工業大学博物館(百年記念館・地球史資料館)

一方こちらは鉱床不詳の菱刈鉱山産自然金

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斑点状に付いた銀黒に伴うものだが大きさはルーペでやっと光点が見える程度とあまりに小さく携帯カメラでは撮影できなかった。

いつか甘茶鉱物記載室に挙げられているような素晴らしいトジ金を手に入れてみたい物である。

甘茶鉱物記載室

 

 

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同じ山田坑でも東工大標本に比べてこの切断標本は細粒緻密で鉱染や粘土鉱物が全く見られない。殆どビリ?と言っていい標本だがそれにしてもここまでの差が出る要因は気になるところである。

*6/13日追記

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月初めの某標本市での収穫品。脈名不詳。菱刈にしては硫化物が多い気もするが、顕微鏡で覗くとスライスによって薄く引き伸ばされたエレクトラムが観察出来る。