法学部生の標本箱

ド文系が行く金山・砂金産地巡り

産地別標本集⑧ 朝日鉱山

 

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兵庫県には「あさひ」と呼ぶ鉱山が何か所かあるらしい。銀・鉛を主に採掘した朝日鉱山や銀黒を伴った浅熱水性鉱床の旭日鉱山、そしてこの「朝日」鉱山だが、この鉱山は朝来市和田町の朝日鉱山だ。糸井朝日鉱山とも呼ばれているらしい。兵庫の地理はサッパリだ。

出回っている当地の標本はこれも含め殆どが貯鉱場から採集されたもので、産状は閃亜鉛鉱や方鉛鉱の溶脱したと思われる晶洞部分にそれらの硫化物の名残に伴って産する物が多い。銀黒様の黒色部は見られるが銀鉱物は観察できない。

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茶褐色の錆を伴って3mm程度の自然金が付く。

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微細な水晶に伴って結晶質の金が来る。

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同名の金鉱山が各地にあるのがややこしい。山梨の塩山にも鈴庫鉱山の支山として「朝日鉱山」が、福島にも江戸初期だったかの金山として「朝日鉱山」がある。初めは金山誌にある「旭日」鉱山をこの糸井朝日鉱山と混同していた。