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法学部生の標本箱

ド文系が行く金山・砂金産地巡り

採集日誌①黒川金山

昨年7月及び今年5月に三回に渡り黒川谷周辺を訪れた。鶏冠山は中新世の花崗閃緑岩貫入岩体で、堆積岩との接触部に形成された熱水系に含金石英脈が来る・・・そうな。

ネット上で手に入る市教育委員会の資料を見ると黒川谷上流、金山跡にかけては部分的には河床に貫入した花崗閃緑岩が露出しているらしいから、昔は河床周辺のかなり浅い部分に鉱脈が露出していたであろうことが容易に想像できる。

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採取地点は図の通り。金山跡と下流の蛇行点が主となっている。石英脈はかなり広範囲に分布しているようで、P1でも大した鉱物は確認できぬものの明らかな石英脈が入った堆積岩を確認することが出来た。黒川金山の産金量は江戸時代に入り大久保長安の下に再び増加しているが、案外このような場所からの採掘が試みられたのかもしれない。

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さて、P3は信玄時代の黒川金山遺跡群だが、このあたりには数自体は少ないがかなりの高品位鉱が散らばっているようだ。ザラメ状に溶けたような、再結晶を思わせる石英の盤際や水晶に伴って肉眼的な自然金が来ることが多い。

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盤際の石英に1.5mm程度の金粒が埋まっている。

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同標本の側面、写真ではぼやけて分からないが(トホホ・・)丸まった苔状の自然金が2粒、晶洞に確認できる。

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2cmほどの範囲に1-2mmの自然金が何粒か埋もれている。濡らすと潜在した部分を観察することが出来る。

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テルル蒼鉛らしきものが付いた鉱石を破砕して出現。0.1mmほど、かなり小さい。

 

これらの鉱石は大きさが大きくても5cm以下に抑えられており、また高品位鉱は特定の箇所に集められている感があることから、採取地は貯鉱場?と思われる。もっとも信玄時代に貯鉱などというものがあったかは定かでないが。

それにしても山道はガレが多く歩きにくいためかなり疲れる・・・、次は黒川下流とより上流の藤尾方面を探索したいものだが、あいにく徒歩では黒川辺りが限界のようだ。

改めて車が欲しくなる採集行だった。


9/21追記:採取した鉱石を解体していくとさらに5つほどのサンプルを得た。どうもここの自然金は妙に透明度の高い、層状構造を示す石英に随伴鉱物を全く伴わず結晶質で産するらしい。Bi-Te鉱物に伴う場合もあるが上記に比べ小粒のことが多い。ザラメ状の石英に埋まって産することもある。ただの白い石英塊だと大して注目もしていなかったサンプルに大粒の金が付着しているのを発見した時は卒倒するかと思った。